金福童ハルモニ(右)と吉元玉ハルモニ(左)


橋下市長、昨年秋に引き続き、ふたたび暴言を連発

 橋下市長は5月13日、記者会見の場において、日本軍「慰安婦」被害者を傷つける発言をおこないました。
 「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命をかけて走っていくときに、精神的にも高ぶっている猛者集団をどこかで休息させてあげようと思ったら、『慰安婦』制度は必要なのは誰だってわかる」と、日本軍「慰安婦」制度が当時必要なものであったと主張したのです。これは「慰安婦」被害者の受けた被害が、戦争遂行のために必要なものであったということです。兵士のために女性を性奴隷として誘拐・監禁し、最前線まで引っ張り回すことが、正当であると主張しているのです!
 その上で「当時の歴史を調べたら、日本国軍だけでなく、いろんな軍で(『慰安婦』を)活用していた」「なぜ日本の『慰安婦』だけが世界的に取り上げられるのか。日本は国をあげて強制的に『慰安婦』を拉致し、職業に就かせたと世界は非難している。だが、2007年の(第1次安倍内閣の)閣議決定では、そういう証拠がないとなっている」と、またしても「証拠はない」論を展開しました。もちろん日本軍「慰安婦」制度は、軍が組織的に性暴力システムを築き管理した、史上類を見ない国家犯罪です。また強制連行の証拠は数多ありますが、ここでは逐一反論しません。そして何よりも連行の強制が問題なのではなく、慰安所での強制が問題なのです。橋下市長の主張は、ウソとゴマカシ・スリカエに満ちています。(反論の詳細は私たちのHPに吉見義明さんの講演録を掲載しているので、それをご覧下さい。)
 そして極めつけに許せないのはこの発言です。
 「意に反して『慰安婦』になったのは戦争の悲劇の結果。戦争の責任は日本国にもある。『慰安婦』の方には優しい言葉をしっかりかけなければいけないし、優しい気持ちで接しなければいけない」
 つまりこれは「『慰安婦』の方々はおかわいそうだけれど、証拠はないのだから、犯罪被害者ではないよ」と言っているのです。
 優しい言葉? 優しい気持ち?――被害者が求めているのはそんなものではありません。必要なのは優しい言葉ではなく、心のこもった謝罪です。
 これほど、被害者をないがしろにし、尊厳を傷つける言葉はありません。

橋下市長への連続抗議行動

 橋下市長のこの発言を聞いたのは、私たち関西ネットが5月25日と26日に韓国の被害者2名を迎えて集会を開催する準備をすすめ、「2人の被害者が橋下市長に面談を求めている」と大阪市側に要請しているさなかでした。それまで大阪市側からははっきりした返事をもらっていなかったのですが、5月13日の夕刻、大阪市側から「橋下市長が会うと記者会見で言明したので、面会の段取りを進めたい」と申し入れがりました。面会の日程は、5月24日の11時から通訳を交えてのたった30分だけ、公開の場で、しかも人数を制限してという条件をつけての約束でした。

 関西ネットは被害者と市長との面会を準備する一方、連続した抗議行動を開始しました。
 5月17日の大阪市役所前抗議行動には、緊急の呼びかけにもかかわらず、約450人もの人が結集しました。関西ネット代表の3人が抗議文を手渡しましたが、橋下市長には残念ながら会えませんでした。それだけではありません。私たちはメディアには5階の政策企画室に届けると伝えていました。実際これまでの抗議の団体はそうしていましたし、いくつかのメディアは政策企画室前で私たちを待っていたようです。それなのに……政策企画室担当者は私たちの集合場所まで来て、市役所内には入らせず、南側入り口で受け取ろうとしました。あんまりだと抗議すると、玄関から入ってすぐのロビーで受け渡しすることになりました。
 私たちは抗議文を読み上げ、その後、各方面の皆さんからのメッセージを受けました。そして橋下市長に届くように、大きな声でシュプレヒコールをあげ、集まった人々で大阪市役所を包囲するヒューマンチェーンを実行。見事につながり、感慨の歓声が上がりました。
 この日手渡した抗議文の賛同者を、同時に募り始めました。5月24日にハルモニたちが橋下市長と面会することは決まっているのに、傷を受けた被害者たちだけを前に立たせるわけにはいきません。ネットで賛同者を募ると、瞬く間に賛同の声は広まっていきました。

今回の橋下発言にいたる経過

 今回の5月13日以降の橋下市長の日本軍「慰安婦」問題をめぐる発言は、ほぼ半年ぶりでした。昨年8月21日以降にも同じような発言をして、私たちは抗議を繰り広げました。
 「『慰安婦』という人たちが、軍に、暴行、脅迫を受けて連れてこられたという証拠はない」「あったというのであれば、韓国の人たちにも出してもらいたい」という発言に始まり、その後「意思に反して強制されたかどうか、裏付ける証拠がない」「河野談話は最悪」「軍人の秩序を保つため、いわゆる慰安所が存在したのは日本だけではないし、風俗業は今でも世界各国に存在する。『慰安婦』と同形態の風俗業も存在する」などと発言をエスカレートさせていきました。
 これら一連の発言に怒った金福童ハルモニが「私自身が証拠だ」と声を上げて来阪し、昨年9月24日に橋下市長に面会を求め大阪市役所に乗り込みました。事前に何度も申し入れをしていたにもかかわらず、私たちが行った時間には橋下市長は公務を休んでツイッターに興じていました。しかしその翌日、記者にその事を質問された橋下市長は「いや、お会いしますよ」と平然と言ってのけたのです。
(詳細は2012年9月の行動報告をご覧下さい。)
 そのような昨年の経過があっての、今回の橋下市長の対応でした。
 橋下市長の発言の内容がそう変わったわけではありません。しかし半年前とは違い、今回の発言は大きな批判を浴びることになりました。前回の発言は、民主党政権末期の、自民党総裁になる前の安倍現首相にすりよるための発言でした。しかし今回は、安倍政権の歴史認識と河野談話見直しの姿勢を米国にも批判され、ソフトに押さえることを余儀なくされる中での、右からの援護射撃でした。全世界からは、橋下市長の発言が日本で人気も責任もある政治家の発言として、重く受け取られました。

橋下発言に多方面から批判集中

 特に13日夕刻の記者会見での発言は、世界中の女性、そして沖縄の人たちだけでなく、米政府の怒りまでも買いました。
 「『慰安婦』制度じゃなくても風俗業は必要だと思う。沖縄の普天間に行ったときに、司令官に『もっと風俗業を活用してほしい』と言った。性的なエネルギーを合法的に解消できる場所はある。真正面から活用してもらわないと、海兵隊の猛者の性的なエネルギーをきちんとコントロールできないじゃないですか」
 この発言は、日本軍「慰安婦」問題が歴史認識の問題であると同時に、現在の女性の人権の問題でもあるということを、とても逆説的に提起しました。そして橋下市長に人権感覚が全く存在しないということを露呈させたのです。
 橋下市長は支持率低下もさる事ながら、特に米国の反応を気にして発言の微修正を重ねました。時には「日韓基本条約で解決済み」とする歴代政権を批判し自分こそが「慰安婦」問題を解決できるかのような主張をしてみたり(後日に「解決済み」と言い換えましたが)、「世界各国が過去を直視し、女性の人権を尊重する世界をつくる」とあたかも自分こそが女性の人権の擁護者であるような口ぶりであったり、……そして終いには「マスコミの大誤報」であり「日本人の読解力不足」でした。
 一貫していたのは、いくらゴマカシ・スリカエを繰り返しても、決して前言を撤回したり謝罪しなかったということです。「性風俗活用発言」については撤回したものの、その理由は風俗業=売買春と受け取られてしまったという「誤解」であり、謝罪した相手は女性たちや沖縄の人たちではなく米軍でした。そんなものは撤回ではないし、謝罪でもありません。

ハルモニが面会を拒絶!

 この一連の橋下市長の発言に、もっとも心を痛めたのは、来日したハルモニたちでした。
 18日に金福童ハルモニは沖縄へ、吉元玉ハルモニは広島に入られました。大阪に入るまでほぼ1週間、テレビと取材の記者を通じてハルモニたちはつぶさに橋下市長の発言を知ることになったのです。(特に金福童ハルモニは日本語が理解できます。)そんな橋下市長の姿を毎日毎日見せられて、ハルモニたちは心の底から嫌になったのです。吉元玉ハルモニは「もう死んだ方がましだ」と記者の前でこぼすほど、憔悴しきっていました。金福童ハルモニは沖縄で記者に橋下発言について問われ、苦痛をこらえ目を真っ赤にしていました。
 もう一度橋下発言をよく見て下さい。慰安所に何年もの間監禁され、性奴隷とされた被害者たちが、どのような思いでこのような心のない発言と向き合わなければならなかったか?! 
 多くの性犯罪の被害者はPTSDを抱え、ふとしたことでも過去の記憶が蘇ります。それは元気そうに見える「慰安婦」被害者も全く同じです。何十年経っても傷が癒えることは困難です。ましてや、橋下市長のような人物が現れ、何度も何度も、傷つけられるのです。それがどれだけ耐え難いことか!

 大阪市側からは立ち位置を細かく指定され、市長から口火を切りたいなど、耐え難い要求を幾つもしてきました。私たちの人数は制限するのにメディアの人数は制限せず、部屋は次第に大きくなっていきました。通訳を交えて30分しかないのに、あの口達者な橋下市長から話し出したのでは、被害者の話を聞く気がないのは明らかです。私たちはそのつど反論し不信感を抱いてきましたが、市長の「謝罪」パフォーマンスの意図を露骨に感じずにはいられませんでした。彼のこれまでの数々の政治パフォーマンスをみていれば、それほど奇異なことではありません。しかしその過ちを認めず国家責任さえ認めない「謝罪」がどれだけ被害者の心を傷つけることか!

 関西ネットでは、24日の面談に向け準備を進めていました。17日に提出した抗議文に対する賛同は、「私たちもハルモニを支えよう」という呼びかけがあっという間に拡散し、たった1週間で5500人にまでふくれあがっていました。多くの人の期待が、24日の面談に集中していました。
 しかし私たちは、結果として、直前に面会を拒絶することに決めました。ハルモニたちが精神的に耐えられないという重みを受け止められない私たちではありません。
 改めて考えて見てください。橋下市長は、今も犯罪被害の傷を抱えるハルモニたちが面会するに値する人物か否か。

 24日には300人を超える支援者が、中之島女神像に駆けつけました。「慰安婦」問題、教育反動反対、日の丸君が代強制反対、朝鮮学校、リバティ・ピースおおさか、反原発、反基地などに取り組んでいる人たちが、反橋下で集結しました。前々日院内集会を開催した東京の方や北海道の方など、遠方からも参加があり、橋下発言を許さない気持ちがひとつになりました。
 当日、私たちは記者会見を行い、ハルモニ2人の声明と、関西ネットの声明を発表しました。面会拒否の決断は、概ね好意を持って受け入れられました。ハルモニの声明にある、「橋下市長は面談の対象ではなく『審判』の対象」という主張は、橋下市長に反対する多くの支援者の共感を得ることができました。
 面会拒絶という判断は正しかった――私たちはそう確信しています。

ふたりのハルモニ、元気になられて語る

 2013年5月25日(土)は大阪ドーンセンターで、5月26日(日)は奈良県人権センターで、金福童ハルモニと吉元玉ハルモニをお迎えして集会を開催しました。奈良集会は、関西ネットの他、アイ女性会議なら、多文化共生フォーラム奈良、部落解放同盟奈良県連合会女性部の4者での共催です。25日の大阪集会は会場の定員である500人を遥かに超える人が詰めかけ、申し訳ありませんが多くの方にお帰りいただく結果となってしまいました。26日の奈良集会には、やはり会場を埋め尽くす500人もの方にご参加いただきました。
 ふたりのハルモニは、面会拒絶という苦しい結論を出して、まるで憑き物が落ちたかのように晴れ晴れしたお顔になり、元気に証言されました。

 金福童ハルモニは、軍服工場で働くと騙され、東南アジアの地を転々とし、戦後も放置された苦しい半生を語られ、「私は生まれる時代を間違えた」と悔しさをにじませました。
 「日本人は自分たちがやったことではないと言いますが、どうやったら民間人がこのような軍人たちを相手にするための慰安所をつくることができるというのか? 広東、香港、マレーシア、スマトラ、インドネシア、ジャワ、シンガポール……私は前線地帯を転々と回り、日本軍が行ったところに行かなかった場所はない。私は死にたくても、死ぬことができなかった。」
 「解放後、看護師としての訓練をさせられ、傷ついた患者たちの看護をした。血が足りなくなれば、私たちの血を輸血した。」
 「いつの間にか患者もいなくなり、私たちが現地に残された。その後米軍によって収容所に入れられ、やっと韓国に帰った。けれどそれは私たちにとっては『解放』ではなかった。数十人もの日本兵の相手をした……そんなこと誰に言えますか?!」
 「名乗り出て闘って20年以上経った。それでもなお日本政府から一言の回答もない。それどころか今また戦争の準備をしている。とんでもないことだ。」
 金福童ハルモニの半生を聞いたとき、私たちは橋下市長の口先ぶりを憎まずにはいられませんでした。橋下市長は「慰安婦」制度は必要だったと言い放ちましたが、「生まれる時代を間違えた」と悔しさをにじませる金福童ハルモニに向かって「生まれた時代を間違ったあなたの責任」とでも言うのでしょうか?

 吉元玉ハルモニは「被害にあったのは11歳で、今は85歳。70年間、人として生きて来れなかった。体調が悪くても日本にやってきたのは、日本が再び戦争への道を歩もうとしているからだ」と、平和の尊さを切々と語られました。
 「世界中で今もなお紛争地で苦労している人たちのためにナビ基金を作った。みなさんもぜひこれに協力して欲しい。本当にお腹が空いているひとには分からないかも知れないが、私たちの国もかつて貧しかったし、今もお腹の空いている人は世界中にいる。自分がお腹がいっぱいでも、隣人がお腹が空いていれば、平和に暮らすことはできない。」
 吉元玉ハルモニは、自分のことよりも他人の苦しみを思い、今もナビ基金を呼びかけ、また朝鮮学校への差別政策の撤回と支援を求めます。数年前は涙なしに語れなかった自分自身の体験を、今は自身の体調は決してよくないのに、「自分と同じような人を生み出したくない」と多くの人に穏やかに語りかけます。ハルモニにとって「被害者を二度と生み出したくない」という思いを糧に、ナビ基金を立ち上げ行動することが、被害回復の糧となっているのです。その姿に、私たちは感動を覚えました。

吉見義明さんは橋下市長の主張に反撃
尹美香さんは日本の支援者を叱咤激励!

 中央大教授の吉見義明さんからは、橋下発言を検証し、慰安所での被害そのものが性奴隷に他ならないこと、日本軍「慰安婦」制度が日本にしかないものであること等を、具体的に事実を持って反論されました。そして「強制連行」ばかりを問題にしているが「誘拐」「人身売買」も当時の法律からして犯罪であり、また中国・フィリピンなどの戦地では力ずくの「略取」も横行し、当時の法に照らしても「慰安婦」制度は犯罪であったと喝破しました。
 尹美香挺対協代表は、「橋下市長にも娘がいるそうだが、私の娘が同じ被害にあったら、泣き叫び、狂ってしまうかも知れない。でも気が狂うほど代弁してくれる人は、ハルモニにはいない」「20年間日本政府に謝罪を求めて闘ってこられた被害者は、私たちの希望なのだ。みなさんもハルモニたちから受け取った希望を胸に、橋下や安倍を追い詰めて欲しい」と明るく話されました。

大阪集会では李政美さんと安聖民さんが歌声を披露
奈良集会ではアニメ「少女の物語」上映と、吉元玉ハルモニが詩の朗読

 また、大阪集会では、李政美さん、安聖民さんの歌が、ハルモニたちの心に寄り添い、とても感銘を与えてくれました。韓国から日本に渡ってきた在日1世たちと同じように、故郷を離れ北間島に移り住んだ同胞の間で歌われた「サンヂュアリラン」を安聖民さんが歌い、植民地朝鮮で祖国の解放を願い地下水脈のように歌いつながれた「鳳仙花」を李政美さんが歌い、そして2人で「ミリャンアリラン」を歌ったとき吉元玉ハルモニは恥ずかしそうに舞台に現れて一緒に歌い踊った瞬間、会場は感動に包まれました。
 奈良集会では、アニメーション作品「少女の物語」が上映されました。「少女の物語」はチョン・ソウンハルモニの証言にアニメーション画像をのせたものです。証言に映像がのっただけでリアルさが増し、見る人の涙を誘いました。また吉元玉の人生を尹美香代表が詩にし、それを吉元玉ハルモニが朗読するという素敵な一幕もありました。

理路整然と橋下市長の主張を論破する吉見さん
吉見さんの主張についてはぜひ橋下市長あて公開質問状をお読み下さい
明るく未来を語る尹美香さん
安倍首相・橋下市長・石原代表の主張と在特会のヘイトスピーチは同根
李政美さんと安聖民さんに囲まれ
ミリャン・アリランを踊る吉元玉ハルモニ
大阪集会でも奈良集会でも、会場からナビ基金への募金が集められ、
ハルモニたちに伝達されました

橋下市長の幕引きを許さず、辞任させよう!

 金福童ハルモニは「橋下市長には呆れるばかり。あの人にも娘がいるというのに、自分の娘を私たちのようにして平気なのでしょうか? そんなことをいう人に、市長である資格がありますか? 資格のない人は市長の職を辞して欲しい」といいました。
 全くその通りです。
 橋下市長は発言をスリカエ、ゴマカシ、時にはしおらしい態度を取りながらも、一切過去の発言を謝罪しません。マスコミのせいにし、日本人の読解力のせいにし、しかし「『慰安婦』制度が当時必要だった」という発言も、「強制連行を示す証拠はない」という発言も撤回しません。もちろん国家の責任も認めていません。国家の責任を認めない謝罪は、謝罪ではありません。それは「おかわいそうな人々」に対する同情であって、被害者はそんなものは一切求めてはいないのです。

 橋下市長のこのような確信犯的な差別発言も、その後のスリカエ、ゴマカシ、鉄面皮ぶりも、謝罪のない幕引きも、絶対に許すことはできません。

橋下市長への抗議、今なお継続中!

 集会の後も、ハルモニたちの面会拒絶を私たちも重く受け止め、私たちは橋下市長に対する抗議を継続しています。橋下市長は発言を撤回しないばかりか、「慰安婦」問題では幕引きを図る一方、八尾空港へのオスプレイ誘致をパフォーマンスし、あれだけそこに住む女性たちの神経を逆なでした沖縄を訪問するなど、全く反省の態度を見せていません。そんな橋下市長を許すわけにはいきません。

 6月4日、吉見義明さんは橋下市長あて公開質問状を提出しました。吉見さんの公開質問状は、論理立てて詳細に項目分けされ、「慰安婦」問題に疑問を抱く全ての人に読んで欲しい内容です。もし、橋下市長がそれにきちんと答えようとして勉強するなら、「強制連行の証拠はない」「どこの国でもやっていた」などという発言は撤回して謝罪するしか道はないはずです。
 私たちも吉見さんと日を合わせて3項目の要望書を手渡し、抗議文の賛同署名3871筆も追加提出しました。
 6月20日には、橋下市長の沖縄「慰霊の日」参加に抗議して抗議文を手渡し、この時も478筆の賛同署名を提出しています。
 5月17日にスタートした抗議文への賛同署名は現在も寄せられており、24日に提出した5500筆を合わせ、1万筆を超えています。これまで多くの方々の熱意で、これだけたくさんの賛同を得ることができました。本当にありがとうございました。
 関西ネットはこれからも橋下市長を追及し続けます。



橋下市長!
日本軍「慰安婦」問題へのたび重なる暴言に、断固抗議します
 私たちは、昨年8月21日の橋下市長による「『慰安婦』という人たちが軍に暴行、脅迫を受けて連れてこられたという証拠はない」との発言に抗議したことに始まり、以後、繰り返し、発言の撤回と謝罪を求めてきました。しかし、橋下市長は私たちの声に一切耳を傾けることなく、暴言を吐き続けています。そして今回、さらに暴言の内容をエスカレートさせ、自ら、日本中、いえ、世界中からの非難と嘲笑をますます拡大させていることを自覚しておられますか。
 橋下市長は5月13日の会見で、「事実と違うことで、わが国が不当に侮辱を受けていることに関してはしっかり主張しなければならない」と言いながら「慰安婦」問題に言及し、「慰安婦」制度は世界各国が持っていたと繰り返し、「なぜ日本だけが非難されるのか」と主張しました。これは昨秋から繰り返されている論理ですが、幼稚で、受け入れられるものではないということに、まだ気づいておられないようですね。国際社会からもこれほど関心を寄せられている問題について、自らの歴史認識も問わず、根拠もなく世界を巻き込もうとする姿勢に、いったい誰が共感すると思われているのでしょうか。
 さらに、「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命をかけて走っていくときに、精神的にも高ぶっている猛者集団をどこかで休息させてあげようと思ったら、『慰安婦』制度が必要なのは誰だってわかる」と発言されました。まったく、返す言葉を失う発言です。女性を人間として見ず、戦争遂行のための道具であり、戦時下で女性の性を活用するのは当然と言わんばかりの女性蔑視の発想は、かつて戦場に慰安所を生み出した日本軍の男たちと同じものです。さらに、「『慰安婦』制度じゃなくても、風俗業っていうものは必要だ。沖縄の海兵隊、普天間に行った時、米軍の司令官に『もっと風俗業を活用してほしい』『そういう所を活用してもらわないと、海兵隊の猛者の性的エネルギーをきちんとコントロールできない』と言った」とぬけぬけと語る厚顔無恥ぶりは、公職にある者の態度では決してありません。一自治体の長にとどまらず、政党の代表として、女性の人権に配慮した政治をめざすことは、日常的な務めであるはずですが、風俗業で働く女性たちに人権問題は存在しないとお考えなのでしょうか。
 また、橋下市長は昨年来一貫して、「世界各国が一番問題視しているのは、日本が国を挙げて女性を暴行、脅迫、拉致をして無理やりそういう仕事に就かせていたこと」であり、「レイプ国家」と非難されるのは許せないと言い募りますが、果たしてそうでしょうか。この間、安倍首相の「河野談話」見直し発言に噴出した各国政府やメディアからの非難をご存知ないはずはないでしょう。国際社会の認識は、市長が持っている認識とは明らかに違います。女性たちが「意に反して」慰安所に捕らわれ、居住の自由、外出の自由、廃業の自由、拒否する自由もない中で兵隊の性処理の相手を強要されたこと、そのような非人間的な制度を軍が主導して、軍が管理統制していたこと、そしてその事実に対して未だに日本政府が、「官憲が暴力的に連行」してさえいないと弁明すれば国家の威信が守られると思い込んでいる、その人権感覚の無さ、お粗末さと歴史を直視して一歩踏み出す勇気や正義感の無さを非難しているのです。まさに橋下市長、あなたこそが国際社会の非難の的になっているのです!もちろん、安倍首相も同じです。
 私たちは5月25、26日に、大阪と奈良での証言集会のために訪れるハルモニを迎えるにあたって、市長との面談を要求してきました。それは、金福童ハルモニにとっては二度目の市長訪問になります。昨年、市長は「証拠があるなら韓国側に出してほしい」と言いながら、9月に「私が証拠です」と市庁を訪れた被害者との面談に応じず、公務がないと休暇をとってツイッターで「慰安婦」否定発言をしていました。ハルモニは、「二度と私たちのような被害者を出さないでほしい。戦争は二度としないでほしい」と、いつも語っておられます。現在のこの国の状況を憂えて、「日本へ行って話したい」と言われ、今回の来日が実現したのです。このたび、ようやく被害者ハルモニたちが橋下市長に歴史の事実を語る機会が実現しそうですが、橋下市長、決して同情ではなく、この日本軍「慰安婦」問題を被害者の立場に立って解決することをめざして会ってください。そして、この間の暴言を被害者の前で撤回し、謝罪すべきです。
 橋下市長、吉見義明さんにも誠意を見せなければいけないのではないですか。「吉見さんも強制の事実までは認められないと言っている」との市長の発言に、吉見さんは「事実無根」と、東京より抗議声明をもって面談に訪れられたにもかかわらず、市長は理由もなく面談を拒否、その日の夕方に記者会見で「戦争遂行の一つの手法の中で、女性にそういう性の仕事をしてもらうことは全世界的にあった」「なんで日本のことだけ国際社会が非難しているのか」と語りました。またしても、問題の本質がわかっていないことを自らさらけ出し、多くの人々の怒りを買ったのでした。

 私たちは、橋下市長の日本軍「慰安婦」問題へのこのようなたび重なる暴言に、断固抗議します!
 橋下市長がいくら否定したくても、戦時において日本軍が慰安所制度を創設、募集、管理にいたるまですべての責任を負っていたこと、朝鮮半島をはじめアジア各地で数万から十数万に及ぶと言われる女性たちを日本軍性奴隷としてすさまじい暴力と人間破壊の現場に追い込んだ事実は、誰も消せない歴史的事実です。

 橋下市長に要求します。
一、たび重なる暴言で、日本軍「慰安婦」被害者をさらに傷つけ、癒しがたい傷を負わせたことに対し、謝罪すること
一、被害者との面談において、この間の発言を撤回し、謝罪すること。面談を政治利用しないこと
一、長年にわたり、重苦を押し付けている沖縄を貶めたことに対し、謝罪すること
一、すべての女性に謝罪すること
一、人権意識がみじんも無く繰り返される暴言の責任をとって、直ちに大阪市長を辞任すること
 2013年5月17日
 日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク

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日本軍「慰安婦」生存者である私たちは
日本維新の会共同代表橋下徹大阪市長との
面談を拒否します
 日本軍「慰安婦」生存者である私たちは、日本での7月参議院選挙を目前に控え、日本市民と政治圏に再び日本軍「慰安婦」問題解決を訴え、戦争のない平和な社会づくりに連帯するため、5月18日から福山・沖縄・広島・岡山を経て大阪・奈良をまわり歴史の真実を日本市民社会に伝えています。
そして、私たちは橋下市長が自身の妄言を撤回し謝罪するために会うと理解し、24日に橋下市長と会うことにしました。

■橋下市長は面談の対象ではなく「審判」の対象

 日本証言集会のさなかである5月19日、私たち生存者は橋下大阪市長、石原前東京都知事らが共同代表の維新の会が「橋下の『慰安婦は必要だった』発言を撤回しないことで一致した」と明らかにした報道に接しました。橋下市長はその後も強制性を否定する立場などを連呼し、胸を引き裂かれる思いでした。
 私たちは今年86歳と88歳になります。引き裂かれた胸を抱いて橋下市長に会うことを考えると、妄言を任務と課す張本人を前にすること自体が恐ろしく大きな精神的衝撃となっています。ひとすじの期待をかけて面談しようとしましたが、それは純真な考えであったと「反省のない」橋下市長の続く妄言が答えています。ここに、橋下市長は面談の対象ではなく、「審判」の対象であるだけだと再度明らかにします。

■橋下市長の仕組まれた謝罪パフォーマンス、シナリオに合わすことはできません

 5月18日からの証言集会を行う過程で日本の記者から入手した情報によると、24日の面談で橋下市長は、謝罪パフォーマンスを企て、その上ひざまずいて謝るという一過性のマスコミ操作を準備していることがわかりました。
 この謝罪パフォーマンスは、反人権的な発言がアジアの良心的な市民社会はもちろん、国連や米国務省・米議会などの批判で困難に陥るや、自身の立場を守ろうとひねりだされた脚本であると断言します。
 終わらない被害者の胸痛む現実と歴史を、橋下市長の謝罪パフォーマンスと引き換えにすることはできません。二度も踏みにじられる必要はありません。

■世界平和市民と一緒に前進するのみ

 私たちはその場しのぎで臨機応変に術策を変える橋下市長に会う価値も理由もないと判断しました。橋下市長との面談を拒否します。橋下市長が心から私たちに申し訳ないと感じ反省するならば、自身の口から出た犯罪に等しい妄言を撤回し、公式謝罪しなければならないと考えます。そして、政治家として間違いに対する責任をとり、政界から引退することを望みます。私たちは、これまでの道を今後も歩み続けるのみです。
 2013年5月24日
日本軍「慰安婦」生存者 金福童 吉元玉

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声明
 橋下市長、あなたに日本軍「慰安婦」被害者と会う資格はない!
 ハルモニの「会いたくない」「会って、どうなる」という言葉を、橋下市長、あなたはどう受けとめているのですか!
 今回来日された金福童ハルモニは14歳で軍服工場で働くと騙され、中国広東の慰安所に連れて行かれました。当時11歳だった吉元玉ハルモニもハルピンの慰安所に連れて行かれました。待っていたのは暴力と性奴隷としての日々でした。幼くして親と引き裂かれ、異国の地で身体も心も破壊しつくすほどに凄惨な地獄を味わったハルモニたちにとって、その後の人生もまたどれほど過酷なものだったか!日本軍「慰安婦」だったと名のり出て、そのいまわしい過去を日本にまで来て証言されるのには理由があります。兵士の性処理の道具として扱われ、戦後は忘れ去られようとした自らの尊厳を取り戻すこと、そして、語ることで歴史の事実を記録し、次の世代に同じことを決して繰り返させまいとする意志です。平和や女性の権利のために声をあげてきたハルモニたちですが、決して心の傷が癒えたわけではありません。今回の橋下市長発言は、過去の記憶に苦しみ続ける被害者に二次被害を与え、その後も声高に繰り返される発言の正当化はすべての性暴力被害者を侮辱し、苦しめています。
 5月21日に国連の社会権規約委員会は日本政府に対し、「慰安婦」被害者を貶めるような発言をやめるよう勧告を出しました。「在日特権を許さない市民の会」など、排外主義グループのヘイトスピーチに対する日本政府の対応を求めるものでした。橋下市長、この間のあなたの発言はまさにこのヘイトスピーチであり、あなた自身が国際機関から勧告を受けていると自覚すべきです。5月21・22日の拷問禁止委員会での日本に対する審査でも、「慰安婦」問題は指摘されています。今や 日本各地、世界各国から止むことなく非難と抗議が続き、発言を「問題」とする世論が75%に達する中、橋下市長は責任をとるどころか、発言の正当化を試み、生き残りに躍起になっています。言ったことを言っていないと言い、責任をメディアや市民に転嫁して、「大誤報」「日本人の読解力不足」とまで言う一方、テレビに生出演して「どこの国でもやっていた」「日本だけを批判するのはアンフェアだ」と持論を展開しています。それらの発言が再び被害者の心を深く傷つけていることに全く気付かないのです。大阪市長としての発言であり、大阪市民に対しても大きな責任があるはずなのに、市民に謝罪の言葉はなく、維新の会で「迷惑をかけた」と陳謝する一方、発言の撤回はしないと公言しています。
 私たちは、先日提出した抗議文にも書いたように、発言の撤回と謝罪を求めているのであり、被害者を政治的に利用することも絶対に容認できません。来日中の被害者は「経験した本人がいるのに、どうして証拠がないと言えるのか」「「妄言で過去の歴史は変えられない」と橋下市長の一連の発言を批判しています。橋下市長はいまや政治家としても人間としても傲慢で卑劣な本性をむき出しにし、生き残りをかけて被害者との面談を利用して名誉挽回をはかろうとしています。しかし、ハルモニたちがあなたと面談して、あなたの演出するステージに付き合わされることはあり得ません。ハルモニたちが面談を拒否される責任は、橋下市長あなたにあるのです。
 あなたに残された道は辞任しかありません。一刻も早く、これまでの発言について撤回し、謝罪し、そして辞任してください。
 2013年5月24日
日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク

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大阪市長 橋下徹 様

要望書

日本軍「慰安婦」問題への重ね重ねの暴言について
ただちに撤回と被害者への謝罪、そして辞職を断固求めます!

 日本軍「慰安婦」問題の解決は、今や国際社会の大きな関心の的なのです。橋下徹大阪市長(日本維新の会共同代表)は「慰安婦」問題に関して、被害者の金福童さんと吉元玉さんが来日される直前の5月13日に発言を行い、人権意識の欠如を自ら露呈し、世界中を大きく驚かせました。大阪市の市長、国会で第二野党の党首という重責にありながら、その自覚が疑われる内容です。「大阪の恥」と言われて怒ったそうですが、まったく恥ずべき暴言です。「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命をかけて走っていくときに、精神的にも高ぶっている猛者集団をどこかで休息させてあげようと思ったら、『慰安婦』制度が必要なのは誰だってわかる」と言い、さらに、米軍の司令官に風俗業の活用を提言したと得意気に話したのですから。国の内外から多数の非難や抗議の声が寄せられましたが、真摯に耳を傾けようとしませんでした。それどころか、暴言をさらに重ねる始末で、非難や抗議の声がどんどん大きくなったのは、橋下市長自身が一番よく実感しているところでしょう。 
 橋下市長が「慰安婦」問題について最初に発言したのは、昨年8月でした。「(強制連行が)あったというのであれば、韓国に(証拠を)出してもらいたい」「『慰安婦』の存在そのものを問題にするのなら、戦争状態において『慰安婦』制度というのは、今から考えると倫理的に問題な制度なのか分からないけれども、当時の時代背景において、どうだったのかを議論しなければ」などと暴言を重ねたのです。これらは歴史的事実に反するばかりか、いかなる状況であっても女性の人権が侵害されることは許されることではないと、私たちは公開質問状を出しましたが、未だ回答がなされていません。「慰安婦」被害者の金福童さんも、「私が証拠です」と韓国から来日し、橋下市長に面談を求められたのですが、公務がないからと休暇を取って拒否しました。今回5月も、二人の「慰安婦」被害者は橋下市長に面談を希望されていました。しかし、昨年よりさらに悪質になった一連の暴言を知ると、「会いたくない」「そんな人に会ってなんになる」と言われ、橋下市長との面談を拒否されたのです。「『慰安婦』制度が必要なのは誰だってわかる」とか、「風俗業を活用してもらわないと、海兵隊の猛者の性的エネルギーをきちんとコントロールできない」などという暴言が、被害者たちをどんなに傷つけたことでしょうか。橋下市長には想像さえもできないのでしょう。暴言の撤回も、被害者への謝罪もなされていません。
 橋下市長は、その後5月27日に外国特派員協会で予定の時間をオーバーしてまで詭弁を弄し、すべての責任はメディアの誤報と読者の読解力不足にあると言いながら自らの発言の正当化のための釈明にやっきになりました。しかし、潘基文国連事務総長も発言しているように、国際社会は納得しませんでした。女性を人間として見ず、「性のはけ口」、戦争遂行の道具として見ている暴言の撤回も、被害者への謝罪もしない人の言葉を、だれが信じるでしょうか。米国と米国民に謝罪する前に、暴言で深く傷つき踏みにじられた沖縄の人々に謝るべきではないでしょうか。橋下市長は、沖縄の人々の気持ちがまったくわかっていません。
 橋下市長の発言以降、維新の会の酷さが一層明らかになっています。石原慎太郎共同代表はもとより、除名処分を受けたものの、西村真悟議員の暴言は口にするのもおぞましいものです。平沼赳夫議員は「『従軍慰安婦』と言われている人たちは『戦地売春婦』」(5/17)、中山成彬議員は被害者の面談拒否に対して「化けの皮が剥がれるところだったのに残念」(5/24)などと、暴言が続いています。そして5月30日には、大阪維新の会所属の木本保平茨木市長が「(橋下市長は)おおむね正しい」などと追従する発言をし、抗議を受けています。橋下市長は、党内で「迷惑をかけた」と陳謝していますが、一方で、これだけ多くの議員が暴言を繰り返すのを放置しているという態度には、あきれてものが言えません。
 さらに、5月30日に大阪市議会で橋下市長問責決議案が可決されそうになると、なんと橋下市長と松井府知事は「選挙」をちらつかせて議員に圧力をかけ、可決を阻止するという暴挙に出たのです。これこそ、民主主義を破壊し市民や議会を愚弄する振舞いであり、維新の会の政治行動の本質を市民の前に明らかにしたと言えます。多くの市民の怒りに油を注いだ結果となっています。6月3日、橋下市長と松井知事は「沖縄の負担軽減のため」と称して、オスプレイの訓練を八尾空港で受け入れることを表明しました。橋下市長には、沖縄問題の本質がまったくわかっていないとしか言いようがありません。オスプレイなんかない社会を、戦争のない社会を、「慰安婦」被害者も私たちも望んでいるのです。
 一方、日本政府に対して、この問題の解決を求める国際社会の声は今までになく大きくなっています。安倍首相だけではなく、橋下市長にもよく認識してほしいものです。5月21日、国連社会権規約委員会は「慰安婦」被害者に関して社会権の享有の保障等のために必要な全ての措置をとること、「慰安婦」に対するヘイト・スピーチなどの示威行動の防止のために公衆に教育を行うことを日本政府に勧告しています。また、5月31日には拷問禁止委員会が、「慰安婦」問題への橋下市長の発言などを念頭に、「地方のトップや政治家が事実を否定し、『慰安婦』被害者を傷つけている」と指摘し、日本政府がこうした発言に反論し、「慰安婦」問題の法的責任を認めることを求めています。

 私たちは橋下市長が自らの立場と発言の重さを自覚し、被害者の思いを受けとめ、以下の要求項目に答えることを要求します。
 また、早急に文書で回答されるよう求めます。
〔要求項目〕
(1)たび重なる暴言で、日本軍「慰安婦」被害者をさらに傷つけ、癒しがたい傷を負わせたことに対し、発言の撤回と被害者への謝罪を求めます
(2)女性を侮辱し、男性をも貶める発言に対し、すべての人々への謝罪を求めます
(3)政治家、市長、公人として許されない、人権意識のない言動を繰り返した責任をとって、直ちに大阪市長を辞任することを求めます
日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク
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