日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク


大阪駅前「水曜集会」の始まりと現在

2019年2月6日、大阪駅前水曜集会は150回を迎えました。2005年10月のスタートから今年で14年目となります。当初より毎月第1水曜日の19時から1時間の開催は変わっていませんが、場所は大阪駅前歩道橋上から梅田ヨドバシカメラ前に変わり、参加者も当初20名足らずのメンバーで始まりましたが、現在では毎回5,60名、多いときは100名もの市民が集まって開催されています。日本だけでなく、韓国からも取材に訪れるほどすっかり定着した「大阪駅前水曜集会」、その始まりと、現在に至る経過をふり返ってみようと思います。

大阪駅前水曜集会のスタート

2004年12月、東京、京都、大阪、広島、福岡、沖縄など、全国10カ所で「12・4全国同時証言集会」が開催されました。「ナヌムの家」を訪問したり、韓国平和キャンプに参加した青年・学生らを中心に夏頃から各地で実行委員会が立ち上がりました。この時期、「国民基金」による運動の行き詰まり、歴史否定の激しいバックラッシュの中で解決の糸口がつかめないまま、「慰安婦」問題は急速に「過去の問題」になりつつありました。そんな中、若者たちが行動を起こしたのです。
同時開催のため、韓国を中心に台湾やフィリピンから被害者が一斉に来日、各地で証言をして下さいました。大阪実行委員会立ち上げに際し、若者たちを中心に学習、議論を重ねながら集会準備が進められました。大阪の証言集会に来てくださったのは吉元玉ハルモニでした。封印していた過去の記憶を絞り出すように、あふれる涙で語ってくれた時の衝撃。
終了後の交流会ではサプライズでお誕生日を迎えたハルモニをケーキやプレゼントでお祝いしました。ハルモニはプレゼントの毛糸の帽子と手袋をつけて飛び切りの笑顔を見せてくださいました。

翌2005年も全国9カ所で同時証言集会が開催されましたが、この時、大阪の実行委メンバーらは悩みました。高齢の被害者の証言に頼らないで、自分たちでできることはないだろうか・・・。その結果、大阪集会は「同時証言集会」ではなく、「同時企画in大阪」として開催することになりました。講演会に寸劇、ライブや展示など様々な企画とともに、今後の継続的な取り組みのひとつとして大阪駅前での毎月一回の水曜集会開催を決めました。これが大阪の水曜集会のスタートになりました。残念ながら全国同時証言集会は年を追うごとに開催地が減少し、大阪でもメンバーが入れ替わるなどして2007年を最後に実行委員会は解散してしまいますが、大阪駅前水曜集会はその後も細々と続けられました。

<日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク>立ち上げ~水曜集会を主催

2008年以降、地方自治体による日本政府に「慰安婦」問題の解決を求める意見書可決運動が全国各地で広がります。関西でも各地の仲間が集まり、協議を重ねて2009年5月、日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークが立ち上がりました。その中には水曜集会に当初から参加していたメンバーも参加していたことで、以降水曜集会の運営は関西ネットが中心に担うようになりました。

差別排外主義者らによる攻撃

しかし、その年の11月頃より在特会が頻繁に妨害にやってくるようになり、被害者を侮辱するヘイトスピーチが日増しに激しくなりました。遂には大挙してやってきて歩道橋を占拠、警察は私たちの側を規制し、歩道橋に登ることさえできなくなりました。この状況に怒りを持って集まってくれた多くの仲間とともに私たちは歩道橋上にて在特会及び警察権力を相手に一歩も引かず、すさまじいエネルギーで歩道橋を奪還しました。あの2010年4月の水曜集会を境にして開催場所を変更することになりました。翌月より大阪市内のターミナルを転々としながら一度も休むことなく継続、2015年より現在の梅田ヨドバシカメラ前で開催しています。この間に水曜集会は阪神地区や神戸、姫路などに拡がりました。

◇道行く人々の関心は社会の空気と同様、決して高くはありませんが、歌ったり踊ったり、アピールを通して「慰安婦」問題だけではなく、性暴力や人権侵害、差別など、様々な問題について訴え、ともに考え、仲間も増え広がっています。
2016年1月、100回目を迎えた時は在日の若者がサムルノリをしてくれたり、2月と7月には韓国から大学生グループ、平和ナビや希望ナビのメンバーを迎えて「カードセッション」やダンスで盛り上がりました。2017年7月には韓国から特別ゲストとして吉元玉ハルモニ、尹美香挺対協共同代表を迎えました。2019年2月、水曜集会は150回を迎え、1月に亡くなられた李ハルモニ、金福童ハルモニの追悼の意を込めて開催しました。
若者から高齢者まで、みんながともに集い、性奴隷とされたサバイバーたちに思いを寄せ、加害の歴史に向き合う時間をこれからも大切にするとともに、性暴力のない平和と人権が守られる社会をめざしていきます。

みなさまもぜひご参加ください。

日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク

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