内閣総理大臣 鳩山由紀夫 様
外務大臣    岡田 克也 様
3月行動をよびかける女たち
申入れ書(質問と要請)
在韓国日本大使館の、日本軍「慰安婦」被害女性への対応について
私たちは、命をまもり戦争のない世の中をつくりたいと行動している関西の女性のグループです。 新政権発足後、山積する課題に立ち向かっておられる姿に、私たちは大きな期待を寄せております。 自公政権が無視し、放棄し続けてきたいくつもの課題の中で、鳩山新政権には、日本の戦争責任問題、中でも日本軍「慰安婦」問題の一日も早い解決のために尽力していただきたいと願っております。
 「慰安婦」問題については、国連機関や世界各国議会で、度々日本政府に対する勧告や決議が上がり、国内でも11にのぼる市議会意見書が出されております。なにより、被害女性も年々高齢となり、時間の猶予は全くないといって過言ではありません。

 ところがさる9月30日、在韓日本大使館において、下記のような驚くべき事態が起きました。このことについて、総理大臣、外務大臣はご存じでしょうか。
 
 お聞き及びと思いますが、ソウルの日本大使館前では、1992年1月より、毎週水曜日正午から1時まで、日本軍「慰安婦」被害女性のみなさんが、支援者の皆さんとともに、問題の解決を求めて集会(水曜集会)を開いておられるます。
9月30日、第885回目の水曜集会のあと、6人の被害女性のみなさんが、10月8日に予定されていた鳩山首相の訪韓の折、短時間でもぜひ面談してほしいと、日本大使館に面談要請文を届けに行かれました。
 これに対して、日本大使館側は、どなたも顔を見せず、黒くて中も見えないガラス越しに(ガラスには声の通る穴が開いている)「ガラスに向かって言いたいことがあれば話すように」と言ったとのことです。
 被害女性のキル・ウォノクさん(81歳)は、その黒いガラスに向かって、「自分たちはこんなに老いてしまったが、日本が新しい政権になって、この機会に自分たちの問題を解決してくれることを望んでいます。どうかよろしくお願いします」と懇願されたそうです。しかし、それへの返答もなく、持参した要請文も「そこにおいておくように」とだけ言われ、最後まで手渡すこともできなかったそうです。                (以上、韓国挺身隊対策問題協議会からの報告)

 こんな非礼があるでしょうか。
 在外日本大使館(公館)は、どこでもその国の人々が要請に訪れたとき、このような対応をするのでしょうか。これが、高齢になられた被害女性に対する「日本」の迎え方なのでしょうか?
 被害女性たちは、このような無礼な扱いをうけて、心中穏やかだったはずがありません。私たちは日本人として、怒りと恥ずかしさでいたたまれない思いです。
 この大使館の姿勢は、植民地支配時代の朝鮮の人々に対するものと同じではないでしょうか。
 この大使館の対応について、政府、外務省として被害女性たちと韓国国民に謝罪するべきです。
 私たちは、以下の点についての質問と要請をいたします。
【質問】
1、総理大臣と外務大臣は、この事実をご存じでしたか。
2、日本の在外公館は、どこの国でも、その国の人々の要請に対して、このような対応をしているの ですか。
3,在韓日本大使館の今回の対応についてどう思われますか?この姿勢を変える必要があると思われ ますか?
4、鳩山総理大臣、外務大臣は、被害女性たちにと直接面談する気持ちがおありでしょうか。

【要請】
 「新政権は歴史を直視する勇気を持っている」と鳩山首相は言われました。鳩山政権の下で、早急に、日本軍「慰安婦」問題についての、〈真相究明、公式謝罪と補償、再発防止のための教育へのとりくみ〉、その第一歩として、2000年来民主党主導で国会提案されてきた「戦時性的強制被害者問題解決促進法」成立のために尽力されることを心から要請します。

 ご多忙は重々承知しておりますが、お返事をいただけるものと信じております。
 2009年10月8日 
3月行動をよびかける女たち・連絡先
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