日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク * 活動報告

東ティモール マヌファヒ県のアリシア・プレゴ(Alicia Prego)さん 死去




みなさま

東ティモール全国協議会より日本軍「慰安婦」被害者が亡くなられたとのお知らせがありました。
この間相次ぐ各国サバイバーの訃報に接し、いまだ加害の事実に向き合わず、謝罪の言葉ひとつない日本政府にあらためて怒りがこみ上げます。
心よりご冥福をお祈りします。

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皆様、

昨日、2021年7月25日(日)午後3時(東ティモールと日本の間に時差はなし)に東ティモールのマヌファヒ県のアリシア・プレゴ(Alicia Prego)さんが息を引き取られました。
東ティモール人権協会(HAK Association)から連絡がありました。

先週木曜日、7月22日、東ティモール人権協会のスタッフたちがアリシア・プレゴさんを訪ねたところ、すでに身体がむくんでいて寝たきりの状態になっていました。
背中には床ずれもできていたそうです。
食事はお粥を食べれるぐらいで、それもたくさんは食べれないということでした。
その時の写真やビデオを送ってもらい、見ていたところでした。

東ティモールでは、今年に入って3人のサバイバーが亡くなられました。
2月にジェラルダ・カルドーゾさん、6月にフランシスカ・マシェドさん、そして7月にアリシア・プレゴさんです。

アリシアさんは日本軍が侵攻したときディリからアイレウへ、さらに南部のトモナモヘと家族とともに避難しました。
しかし、結局、日本軍に差し出され、まずタカラギという軍人にレイプされました。そこにはサホもいました。
タカラギが寝入った隙に逃げ出したものの、また連れ戻されました。
そしてサホから「今度逃げたら殺す」と脅されました。
そうして2ヶ月ほど、日本軍と一緒にいましたが、おそらく敗戦だったのでしょう、日本軍は突然撤退したそうです。

戦後、結婚しましたが、子どもができず(戦争中に繰り返しレイプされたためと彼女は思っている)、夫はアリシアさんの妹と結婚しました。
アリシアさんは、彼らから生まれた子ども2人を養子にして育てました。

アリシアさんは私たちの訪問をいつも喜んでくれました。「おみやげなんかいらないんだよ、来てくれるだけでいいんだ」と言っていたのが思い出されます。

ご冥福を祈ります。


松野明久
東ティモール全国協議会
2021年07月25日(日) No.98 (訃報)

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