日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク * 活動報告

ジャン・ラフ・オハーンさん 死去




8月19日、オーストラリア在住の日本軍性奴隷被害者ジャン・ラフ・オハーンさん訃報の知らせに世界各地で悲しみが広がりました。
96歳でした。

1923年オランダ植民地下にあったインドネシアで生まれ、日本軍占領下で過酷な性奴隷生活を強いられたオハーンさんは、1991年の金学順さんの名のり出を契機に自らも名のり出を決意しました。
日本をはじめ、世界各地を回って日本軍性奴隷制問題解決のために声をあげ続けました。
心よりご冥福をお祈りいたします。


《追悼辞》

日本軍性奴隷制被害者 ジャン・ラフ・オハーンさん

ジャン・ラフ・オハーンさんが落命されたという知らせを聞いて、胸が潰(つぶ)れるような思いです。
韓国「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」は、ジャン・ラフ・オハーンさんの遺家族、そしてジャン・ラフ・オハーンと意志を共にした豪州市民たちに深い哀悼の意を表し、大きな悲しみを共に分かち合います。

ジャン・ラフ・オハーンさんは日本軍性奴隷制被害の苦痛に打ち勝った生存者として1992年、自身の被害事実を公開証言されました。
無反応の日本大使館前で堂々と謝罪を要求する韓国被害者たちを見て勇気を貰(もら)ったと、そして二度と同じ歴史が繰り返されないために立ち上がると決心したといいます。

それ以降ジャン・ラフ・オハーンさんは、1992年12月、「東京国際公聴会」での証言、2000年東京で開かれた「日本軍性奴隷戦犯女性国際法廷」で証言、そして2007年に米国下院決議が採択されるときに直接米国聴聞会で証言し、日本軍「慰安婦」問題の真実を欧州と米国社会を始めとする国際社会に広く知らせる重要な役割をしました。

ジャン・ラフ・オハーンさんは、日本軍性奴隷制問題の正義ある解決のために堂々と闘い、さらに日本軍性奴隷制問題が東アジアに局限されたことでなく、人類普遍の人権問題であることを国際社会が認識していく大きな役割を果たされました。

日本政府に犯罪認定と公式謝罪、法的賠償を要求して闘われたジャン・ラフ・オハーンさん、故人が受けた大きな痛みを記憶します。すっくと立って堂々と立ち向かって闘った貴女の勇気を記憶し続けます。貴女が逝かれた処は戦争が無い、性暴力も無い処であることを願い、逝かれた貴女の願いである加害者の反省が一日も早くなされるよう、懸命に活動します。これ以上、戦時性暴力が起きないよう世界の平和が広がるよう、もっと熱心に努力します。

ジャン・ラフ・オハーンさんの冥福を祈ります。




2019年 8月 20日 日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯




2019年08月19日(月) No.46 (訃報)

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