日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク * 活動報告

ナビ(蝶)に平和と希望をのせて
 日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク10年、そしてこれから




日  時 : 2019年7月13日(土) 10:00〜
会  場 : すてっぷ ホール


【報告】



関西ネット結成10年を迎えた7月13日、10年を振り返り、新たな出発を期すため「つどい」を開催しました。
午前中の「アポロジー(謝罪)」上映会にはおよそ80人が参加、午後の集いには120人あまりが参加しました。

(一部) 吉元玉ハルモニ ミニコンサート& 尹美香さん 講演



10年間の活動を振り返る映像で幕が開きました。これまでお招きした各国サバイバーの証言映像や、妨害と圧力をはねのけて継続してきた水曜集会や様々な取り組み、さらに橋下市長との面談を求める金福童ハルモニの毅然とした姿など、「慰安婦」問題解決を求める関西ネットのあゆみが紹介されました。

続く主催あいさつでは、金学順さんの証言から28年という歳月を経てもなお解決されず、加害の歴史に向き合おうとしない日本社会の在り方を問う一方、集いのために集まり、準備してくれた仲間や若者たちの姿に希望を持ちながら、あきらめることなくこれからも闘っていく決意を述べました。

今回、韓国から吉元玉ハルモニと、「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」の尹美香理事をお招きしました。お二人の登壇に会場から大きな拍手がおこりました。吉元玉ハルモニの歩みと心情をたどる映像をバックに、故郷・平壌の歌である「豆満江」や「恨み多き大同江」など次々に歌声を披露してくれました。尹代表から「どうして歌が好きなの?」と問われると「歌があるところには平和があるから」と答えられ、大きな拍手が起こりました。





尹代表は「戦時性暴力サバイバーに#With youと希望を送る―日本軍性奴隷制問題解決のための30年闘争」をテーマに講演しました。挺対協発足から30年を振り返り、被害者の人権回復とは戦争のない平和な社会を築くこと、被害を生まない社会の実現であり、男性中心社会の、構造的差別や暴力を変えていくことだと強調しました。そのために、被害者自らが人権運動の主体となって声をあげてきたように、私たちが軍国主義を根絶し、システムを変え、連帯と希望をつくりだそうと呼びかけました。




(二部)文化公演&次世代の本音トーク



次世代メンバーで企画・進行を担った2部は、韓国・朝鮮の伝統音楽「サムルノリ」で賑やかに幕を開けました。続いて水曜集会でお馴染みのデュオ「たこちゃんきょこちゃん」はMCでも会場を盛り上げ、素敵な歌声を披露してくれました。続く「志遠」のキムソッセさんは、被害者ハルモニの体験と心の痛みを自身で作詞・作曲、感情のこもった歌声は参加者の涙を誘いました。





続いてのステージは「若者の本音トーク」で、4人の大学生と2人の青年、コーディネーターは在日青年が務め、日本軍性奴隷制問題を中心に同世代で様々な議論が展開されました。初めて顔を合わすメンバーもおり、国籍や性差による立場の違いを超えてのやりとりは有意義なものでした。次世代への継承が求められる今、この企画を通して繋がった若者の想いを今後もしっかりと見届けていきたいと思います。

フィナーレは「ハンマウム」によるプンムル(韓国・朝鮮伝統音楽)演奏が行われ、最後のアリランは参加者みんなで歌い踊って盛り上がりました。







(三部)交流会

交流会の食事は、リユース食器を利用し、料理は豊中市に暮らす外国人と日本人が協力してオープンしたカフェ・サパナの手作り料理を美味しくいただきました。

挨拶に立った全国行動共同代表の梁澄子さんより、日本の「慰安婦」問題解決運動が第4段階目を迎え、記憶・継承の時代となったいま、関西ネットが独特の発想とパワーを放つだろうとの励ましの言葉が送られました。




乾杯の音頭をとっていただいたVAWW RACの中原道子さんは、93年に金福童ハルモニに「子どもたちを守ってください」と言われ、自分に託されたと思ってきたと活動のきっかけを紹介されました。



オープニング映像の番外編をパワーポイントで見た後、参加者の皆さんからメッセージをいただきました。
ここでは次世代の発言を紹介します。

・台湾の留学生
―台湾では「慰安婦」問題をみんなが知っているのに、大阪では知らないので驚いた。

・在日の男性
―水曜集会に参加するようになって性差別に気付くようになった、自分を変革していきたい。水曜集会の主体となっていくつもりだ。

・在日の女性
―「慰安婦」問題を話題にすることを遠慮したり、反日と思われないかと恐怖心があった。今日のトークで、日本の学生が「慰安婦」問題を学んだことを契機に教育の必要性を言い出したと聞き、知らされてなかっただけだとわかって前向きな気持ちになれた。

ラストは関西ネットのメンバーが舞台に立ちパウィチョロムを踊り、「この10年で何ができたのか分からないが、次世代の人たちが一緒にやろうという畑はできたのではないか。それぞれができることを解決する日までともにやりましょう!」と締めくくりました。



2019年07月13日(土) No.24 (報告)

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