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第158回 大阪駅前水曜集会






日  時 : 2019年10月2日(水) 19:00〜
会  場 : ヨドバシ梅田前

【報告】


第158回大阪水曜集会は、韓国仁川の「ピョリ」という女性団体の参加や、韓国のラジオ番組の取材を受けるなど、韓国語の飛び交うなかにぎやかに開催されました。

関西ネットからは、9月12〜18日に日本軍「慰安婦」問題解決全国行動として実施した 「インドネシア スラウェシ島の被害者を訪ね、これからの支援を考える旅」の報告がありました。日本軍は1942年からインドネシアを占領し、石油などの資源を略奪、たくさんの人たちを強制動員しました。その中で多くの女性たちが性被害を受けました。今回は6人の女性たちを訪ね、お話をうかがうとともに、支援団体との交流をおこないました。




「パウィチョロム」の踊りのあとは、韓国からのゲストのアピールです。 労働者や学生など、様々な背景を持つ女性たちのグループ「ピョリ」は、韓国で#MeToo運動が活発になったことをきっかけに、フェミニズムに関心を持つようになりました。韓国社会でもいまだに、性被害を受けた女性に対する嫌悪があり、女性たちは闘っています。「慰安婦」問題は、今を生きる私たちの問題でもあり、「慰安婦」被害女性が謝罪を受けることは、現在の私たちにとっても意味のあること。90歳代のハルモニたちが真摯な謝罪を受けられたら、安倍政権ももっと誇らしい政治家として評価を受けることができると思う、と結ばれました。




次に関西ネットから、開幕後3日で中止とされたあいちトリエンナーレ「表現の不自由展 その後」が再開決定されたことを受けての行動提起がありました。中止は抗議や脅迫によるものだったが、その背景には「平和の少女像」に「反日」のレッテルをはり、右派の攻撃を煽った政治家たちの存在がある。歴史に向き合えない恥ずかしい人たち。日本には表現の不自由があることを内外に知らしめた。しかし、この間、市民が連帯して思いをひとつにして、行動してきた。文化庁の補助金不交付をもってしても、市民の力を止めることはできなかった。これからもあきらめず、やればできるという思いで取り組んでいこうと、呼びかけました。




「ハナ」の歌に続いて、10月20日に吹田で開催されるパネル展や、映画「アイキャンスピーク」「終わらない戦争」など催しの案内がありました。 次世代からは、インドネシアツアーでお会いした被害者が、日本語で歌をうたったり、数を数えたりして、自分たちにコミュニケーションをとってくださったことを取り上げ、90歳を超えた今も、日本軍の植民地主義の傷跡がつよく深く残っていることが表出されたもので、あいトリへの妨害も同じであるとの指摘がされました。




心配していた雨もふらず、最後のシュプレヒコールは、このところ毎回参加の金福童ハルモニのパネルと同じポーズで「ふぁいてぃーん」と、60人あまりの参加者が声をあげました。


韓国の #MeToo 運動と新たなフェミニズム
ー「慰安婦」問題解決運動が切り拓いたものー






日  時 : 2019年10月8日(火) 18:30〜
会  場 : ドーンセンター 大会議室

【報告】


集会冒頭、10月5日急逝された森川万智子さんを偲び、全員で黙とうしました。
森川さんは文玉珠ハルモニとの出会いから、ビルマへの訪問などハルモニの足跡をたどる取り組みをされ、2017年に関西ネット主催で講演会を開催、当時の写真が紹介されました。




李ナヨンさんは2018年、ひとりの女性検事の告発から若者を中心に韓国社会にあふれ出した#MeToo運動とその後の展開について紹介、韓国における新たなフェミニズム運動の波について報告されました。




その背景に、70~80年代の軍事独裁政権下での抵抗と民主化を求めて闘った女性たちの存在があり、進歩陣営の中にあっても家父長的価値観の押し付けがあり、これに抵抗する中で様々な女性団体が生まれた過程を紹介、その一つが韓国挺身隊問題対策協議会でした。

さらに、1991年の金学順さんの告発こそ#MeToo運動の始まりで、それはまた、女性の権利を普遍的人権と主張する国際社会の流れとも連なりました。

加害者を処罰する法や制度すらなく、性暴力を受けた女性が「貞操に対する罪」に問われたり、性売買が淪落行為と言われる韓国性暴力社会で女性たちが挑戦状をたたきつけて立ちあがりました。こうした動きに「慰安婦」問題は大きな影響を及ぼしました。

政治社会経済全般にわたって力強く変化を呼び起こす女性たちの存在を、そして、そこに至る過程で「慰安婦」被害女性たちの存在があったことを強調して講演を結びました。




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当日のパワーポイント映像および配布資料にある、女性たちが集会参加を呼び掛けるポスターの中に「生物学的女性のみ参加可能」という文字があり、会場よりトランスジェンダーに対する差別、排除ではないかという質問がありました。

講師より納得のいく回答が得られず、時間の関係で議論を深めることもできませんでした。

この件について、韓国語資料の翻訳段階で気づきながらも事前に講師に問いあわせるなどしなかったことで、主催者側の意識も問われることとなりました。その場に当事者の方がおられた可能性もあり、傷つけたり、不快な思いをさせてしまったことを大変重く受け止めています。これで終わりにすることなく、今後李ナヨンさんとも議論を重ね、何らかの形でみな様に経過をお知らせできるよう、努力してまいります。

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