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第155回 大阪駅前水曜集会






日  時 : 2019年7月3日(水) 19:00〜
会  場 : ヨドバシ梅田前

【報告】


2019年7月3日(水)第155回水曜集会には、小雨の降る中、50名以上が参加しました。

関西ネットからは、6月8日前田朗さんを講師に迎えて行った「日本軍性奴隷制問題 国際社会はどうみている?」の学習会で人種差別撤廃委員会・強制失踪委員会の報告や勧告について学んだこと、6月19日の「紛争下の性暴力撤廃世界デー」に合わせてソウルで正義連が主催した「教育シンポジウム」で、91年8月14日の金学順ハルモニのカミングアウトを始発点に、サバイバーたちが世界中を駆け巡り日本軍性奴隷制度のことを訴えるメッセージを残したことから、未来世代に同じことを繰り返させないための教育の大切さを確認したこと、金福童、吉元玉ハルモニがナビ基金を通して戦時下で性暴力を受けた女性たちを支援するための運動を続けてきたことなどを報告しました。




続いて、兵庫県議会議員北上哲仁さんは、社会の生きづらさや虐待、引きこもりの背景に、政治が本来あるべき姿ではなく逆方向に推し進められていることを指摘、政治は弱い立場の人のためにこそあるもの、その逆をいく安倍政権をストップさせ、根本から変えていくことが必要であり、命と人権を何よりも大切にする政治をつくっていきたいとアピールしました。




「私たちの内なる優生思想を考える会」のメンバーからは、障がい者は生まれる前から「不良な子ども」として国によって否定され、「優れた」国民だけを保護する目的の法律が優生保護法であり、この法律があったからこそ障がい児・者の親はわが子を「不良な子ども」とみなし、恥の子どもがさらに恥の子どもを産むような事態は恥の上塗りだと考え、無理やり不妊手術を受けさせた。国連勧告が出されてようやく声をあげることができ、被害者に一時金を支給する救済法が成立、施行されたが、「救済」だと書いていること自体が「優生保護法」を作ったことを人災だと認めていない、障がい者差別にさらに差別を上塗りしているとしか思えないと訴えました。




次に関西ネットメンバーから、世間では日本軍「慰安婦」被害者を「従軍慰安婦」と呼ぶことが多いが、被害者自ら「日本軍に従軍したのではない」と訴えているにも関わらず、そういう用語を使い続けることは問題ではないかと話し、今後<日本軍「慰安婦」>、<性奴隷>などに言い換える必要性を提起しました。




また、「子どもたちに渡すな!あぶない教科書・大阪の会」のメンバーが現在進行中の小学校教科書採択業務についてアピール。学校には様々なルーツを持っている子どもたちが通っているにも関わらず自国中心主義、日本自慢の教科書がある。展示会に行き、教科書を見て市民アンケートを書いてほしい、アンケートが大きな影響を与えることができると今年の教科書採択で分かった。ぜひ、運動をともにしてほしいと訴えました。




若者アピールに立った女性は、「慰安婦」問題について学びたいという思いから「希望の種基金」が開催しているツアーに参加した。韓国で解決を求めるたくさんの活動家たちに出会った。ハルモニらの人権と尊厳を奪われたままにしてはいけない、これ以上歴史修正主義を蔓延させてしまってはいけないという思いが強くなっていった。「慰安婦」という言葉を聞いたことのない世代とこの問題を共有し、この現状を変えられるよう様々なアクションを続けている。これからも記憶し、差別と偏見と闘う誰かと手をつないでいきたいと訴え、「光は勇気を生み、勇気は希望を生む」という言葉で締めました。




最後は、全員のシュプレヒコールで水曜デモを終えました。


ナビ(蝶)に平和と希望をのせて
日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク10年、そしてこれから






日  時 : 2019年7月13日(土) 10:00〜
会  場 : すてっぷ ホール

【報告】


関西ネット結成10年を迎えた7月13日、10年を振り返り、新たな出発を期すため「つどい」を開催しました。
午前中の「アポロジー(謝罪)」上映会にはおよそ80人が参加、午後の集いには120人あまりが参加しました。


(一部) 吉元玉ハルモニ ミニコンサート& 尹美香さん 講演




10年間の活動を振り返る映像で幕が開きました。これまでお招きした各国サバイバーの証言映像や、妨害と圧力をはねのけて継続してきた水曜集会や様々な取り組み、さらに橋下市長との面談を求める金福童ハルモニの毅然とした姿など、「慰安婦」問題解決を求める関西ネットのあゆみが紹介されました。

続く主催あいさつでは、金学順さんの証言から28年という歳月を経てもなお解決されず、加害の歴史に向き合おうとしない日本社会の在り方を問う一方、集いのために集まり、準備してくれた仲間や若者たちの姿に希望を持ちながら、あきらめることなくこれからも闘っていく決意を述べました。

今回、韓国から吉元玉ハルモニと、「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」の尹美香理事をお招きしました。お二人の登壇に会場から大きな拍手がおこりました。吉元玉ハルモニの歩みと心情をたどる映像をバックに、故郷・平壌の歌である「豆満江」や「恨み多き大同江」など次々に歌声を披露してくれました。尹代表から「どうして歌が好きなの?」と問われると「歌があるところには平和があるから」と答えられ、大きな拍手が起こりました。





尹代表は「戦時性暴力サバイバーに#With youと希望を送る―日本軍性奴隷制問題解決のための30年闘争」をテーマに講演しました。挺対協発足から30年を振り返り、被害者の人権回復とは戦争のない平和な社会を築くこと、被害を生まない社会の実現であり、男性中心社会の、構造的差別や暴力を変えていくことだと強調しました。そのために、被害者自らが人権運動の主体となって声をあげてきたように、私たちが軍国主義を根絶し、システムを変え、連帯と希望をつくりだそうと呼びかけました。





(二部)文化公演&次世代の本音トーク




次世代メンバーで企画・進行を担った2部は、韓国・朝鮮の伝統音楽「サムルノリ」で賑やかに幕を開けました。続いて水曜集会でお馴染みのデュオ「たこちゃんきょこちゃん」はMCでも会場を盛り上げ、素敵な歌声を披露してくれました。続く「志遠」のキムソッセさんは、被害者ハルモニの体験と心の痛みを自身で作詞・作曲、感情のこもった歌声は参加者の涙を誘いました。






続いてのステージは「若者の本音トーク」で、4人の大学生と2人の青年、コーディネーターは在日青年が務め、日本軍性奴隷制問題を中心に同世代で様々な議論が展開されました。初めて顔を合わすメンバーもおり、国籍や性差による立場の違いを超えてのやりとりは有意義なものでした。次世代への継承が求められる今、この企画を通して繋がった若者の想いを今後もしっかりと見届けていきたいと思います。 フィナーレは「ハンマウム」によるプンムル(韓国・朝鮮伝統音楽)演奏が行われ、最後のアリランは参加者みんなで歌い踊って盛り上がりました。






(三部)交流会

交流会の食事は、リユース食器を利用し、料理は豊中市に暮らす外国人と日本人が協力してオープンしたカフェ・サパナの手作り料理を美味しくいただきました。
挨拶に立った全国行動共同代表の梁澄子さんより、日本の「慰安婦」問題解決運動が第4段階目を迎え、記憶・継承の時代となったいま、関西ネットが独特の発想とパワーを放つだろうとの励ましの言葉が送られました。




乾杯の音頭をとっていただいたVAWW RACの中原道子さんは、93年に金福童ハルモニに「子どもたちを守ってください」と言われ、自分に託されたと思ってきたと活動のきっかけを紹介されました。




オープニング映像の番外編をパワーポイントで見た後、参加者の皆さんからメッセージをいただきました。
ここでは次世代の発言を紹介します。

・台湾の留学生
―台湾では「慰安婦」問題をみんなが知っているのに、大阪では知らないので驚いた。

・在日の男性
―水曜集会に参加するようになって性差別に気付くようになった、自分を変革していきたい。水曜集会の主体となっていくつもりだ。

・在日の女性
―「慰安婦」問題を話題にすることを遠慮したり、反日と思われないかと恐怖心があった。今日のトークで、日本の学生が「慰安婦」問題を学んだことを契機に教育の必要性を言い出したと聞き、知らされてなかっただけだとわかって前向きな気持ちになれた。

ラストは関西ネットのメンバーが舞台に立ちパウィチョロムを踊り、「この10年で何ができたのか分からないが、次世代の人たちが一緒にやろうという畑はできたのではないか。それぞれができることを解決する日までともにやりましょう!」と締めくくりました。



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